ブルノでのチェコグランプリは、ケーシー・ストーナーの一人舞台だった。
ポール・ポジションからスタートしたストーナーは、一度も首位を奪われること無く周回を重ねた。
前戦の母国アメリカGPで無念の結果となった2人のアメリカ人ライダー、ホプキンスとヘイデンが会心の走りを見せたものの、ストーナーには全く歯が立たなかった。
目次
チェコGP レース前のTips
開 催 日 : 2007年8月19日
コンディション : ドライ
気 温 : 26℃
路 面 温 度 : 35℃
2006年のチェコGPはカピロッシの圧勝
前年のチェコGPは、カピロッシが圧倒的な勝利を飾った。
年初から好調だったカピロッシは、6月のカタルニアGPで負ったケガが原因で調子を落としていたが、夏休み明けのチェコGPで見事に復活し、独走で勝利を収めた。
もしもカタルニアでのケガが無かったら、年間ランキングはどうなっていたのか?という想像が掻き立てられる一戦。
- 1位 ロリス・カピロッシ
- 2位 バレンティーノ・ロッシ
- 3位 ダニ・ペドロサ
ケーシーストーナーが僅か5周でポール獲得
ケーシー・ストーナーが、予選で圧巻の走りを見せた。
予選でストーナーのマシンにリアブレーキのトラブルが発生した。そのため、ストーナーは僅か5周しか走ることが出来なかったが、走り出して僅か3周目にポール・ポジション・ラップを叩き出した。
メランドリが欠場
アメリカGPの予選で転倒し、膝を脱臼したにもかかわらず3位となったメランドリが、今回は首の痛みに見舞われた。
どうやら寝違えたらしいのだが、かなりの痛みだったようで、決勝の朝に欠場を決めている。
メランドリは少々のケガでは欠場しない。
2005年のセパンでは、1週間前に35針縫う足のケガを負ったにもかかわらず、車いすで会場入りし、レースに出場した。
そのメランドリが、レースで負ったケガではない理由で欠場とは、、、。
相当に悔しかっただろう。
ブルノサーキットの概要
コース幅 : 15m
コーナー数 : 右8 左6
最長ストレート : 636m
決勝レース周回数 : 22周
総走行距離 : 118.866km
チェコGP 決勝のグリッド
ニッキー・ヘイデンが今期初のフロント・ロウを獲得している。このレース前にホンダから提供された新しいパーツが、良い方向に作用したようだ。
Row | Grid | Rider | Team | Time |
1 | 1 | Casey STONER | Ducati Marlboro Team | 1'56.884 |
2 | Nicky HAYDEN | Repsol Honda Team | 1'57.164 | |
3 | Dani PEDROSA | Repsol Honda Team | 1'57.179 | |
2 | 4 | John HOPKINS | Rizla Suzuki MotoGP | 1'57.567 |
5 | Randy DE PUNIET | Kawasaki Racing Team | 1'57.599 | |
6 | Valentino ROSSI | Fiat Yamaha Team | 1'57.640 | |
3 | 7 | Loris CAPIROSSI | Ducati Marlboro Team | 1'57.665 |
8 | Chris VERMEULEN | Rizla Suzuki MotoGP | 1'57.699 | |
9 | Colin EDWARDS | Fiat Yamaha Team | 1'57.702 | |
4 | 10 | Sylvain GUINTOLI | Dunlop Yamaha Tech 3 | 1'57.732 |
11 | 中野 真矢 | Konica Minolta Honda | 1'57.969 | |
12 | Carlos CHECA | Honda LCR | 1'58.143 | |
5 | 13 | Alex BARROS | Pramac d'Antin | 1'58.204 |
14 | Toni ELIAS | Honda Gresini | 1'58.264 | |
15 | 玉田 誠 | Dunlop Yamaha Tech 3 | 1'58.399 | |
6 | 16 | Anthony WEST | Kawasaki Racing Team | 1'59.386 |
17 | Kurtis ROBERTS | Team Roberts | 1'59.446 | |
18 | Ivan SILVA | Pramac d'Antin | 1'59.721 |
チェコGPは最初から最後までストーナーの独走
ホールショットはストーナー。ペドロサ、ホプキンス、ヘイデン、カピロッシと続く。
ホプキンスがペドロサをパスして2位に上がる。ロッシは7位。
序盤からストーナーとホプキンスが抜けていて、リードを開き始める。
ロッシがドプニエをパスして6位に上がる。
2周目
ストーナーは早くも2位のホプキンスに0.7秒の差をつけている。
ヘイデンがペドロサをパスして3位に上がる。
8位を走行していたエドワーズが、グラベルに突っ込んでしまい、転倒。レースには復帰するが直ぐにピットインし、そのままリタイヤ。
カピロッシが4位のペドロサに迫る。
3周目
カピロッシがペドロサをパスして4位に上がる。
ストーナー、ホプキンス、ヘイデンの上位3台が速い。
4周目
ストーナー、ホプキンス、ヘイデンの上位3台だけが、1周1分58秒台で走行している。4位以下は59秒台。
5周目
4位のカピロッシが、コーナーでワイドにはらんでしまい、ペドロサにパスされる。
ロッシがカピロッシに迫る。
8周目
ロッシがカピロッシをパスして5位に上がる。
ドプニエとバーミューレンも、カピロッシに迫ってきている。
9周目
ストーナーとホプキンスの上位2人が、同じラップタイムで走っている。2人の差は1.1秒。
3位ヘイデンは、上位2人よりも1秒遅いラップタイムで単独走行。同じく単独走行の4位ペドロサと、5位集団(ロッシ、ドプニエ、カピロッシ、バーミューレン)はトップより2秒近く遅いペース。
12周目
バーミューレンが、カピロッシをパスして7位に上がる。
13周目
ストーナーは、2位のホプキンスに2.5秒差を付けている。
6位のバーミューレンが、5位のロッシに迫っている。
14周目
バーミューレンが、ロッシをパスして5位に上がる。
15周目
上位ライダーのタイム差は次の通り。
ストーナー
↓ 3.0秒
ホプキンス
↓ 6.0秒
ヘイデン
↓ 2.4秒
ペドロサ
↓ 4.5秒
バーミューレン
ロッシ
カピロッシ
ドプニエ
残りの周回数は8周。
16周目
カピロッシが、ロッシをパスして6位に上がる。
17周目
ロッシのペースが遅れているが、ドプニエはロッシを抜くことが出来ない。
19周目
上位ライダーのタイム差は次の通り
ストーナー
↓ 4.7秒
ホプキンス
↓ 6.8秒
ヘイデン
↓ 2.3秒
ペドロサ
↓ 3.9秒
バーミューレン
カピロッシ
↓ 2.4秒
ロッシ
ドプニエ
ホプキンスも十分に速いのだが、それ以上にストーナーが速すぎる。
そのまま順位変動なく、フィニッシュ
ホプキンスは自己最高位。ヘイデンは2戦連続で3位を獲得した。
順位変動がとても少ないレースで、上位3台は2周目以降全く変わらず、4位となったペドロサも、5周目以降ずっと4位走行だった。
チェコGPの順位一覧
順位 | Rider | トップとのタイム差 | タイヤメーカー |
1 | Casey STONER | ー | ブリヂストン |
2 | John HOPKINS | 7.903 | ブリヂストン |
3 | Nicky HAYDEN | 13.100 | ミシュラン |
4 | Dani PEDROSA | 15.800 | ミシュラン |
5 | Chris VERMEULEN | 17.303 | ブリヂストン |
6 | Loris CAPIROSSI | 19.363 | ブリヂストン |
7 | Valentino ROSSI | 22.485 | ミシュラン |
8 | Randy DE PUNIET | 23.073 | ブリヂストン |
9 | Alex BARROS | 32.292 | ブリヂストン |
10 | Carlos CHECA | 35.153 | ミシュラン |
11 | Toni ELIAS | 37.748 | ブリヂストン |
12 | Anthony WEST | 38.250 | ブリヂストン |
13 | Sylvain GUINTOLI | 43.694 | ダンロップ |
14 | 中野 真矢 | 57.069 | ミシュラン |
15 | Kurtis ROBERTS | 1'09.603 | ミシュラン |
16 | Ivan SILVA | 1'21.410 | ブリヂストン |
17 | 玉田 誠 | 1'25.804 | ダンロップ |
R | Colin EDWARDS |
チェコGP終了時の年間ランキング
ストーナーとロッシのポイント差が、ついに60ポイントまで開いた。ホプキンスがメランドリを抜き、5位に上昇。ヘイデンが2ランクアップ。
ライダーランキング
順位 | ライダー | チーム | ポイント |
1 | Casey STONER | Ducati Marlboro Team | 246 |
2 | Valentino ROSSI | Fiat Yamaha Team | 186 |
3 | Dani PEDROSA | Repsol Honda Team | 168 |
4 | Chris VERMEULEN | Rizla Suzuki MotoGP | 124 |
5 | John HOPKINS | Rizla Suzuki MotoGP | 124 |
6 | Marco MELANDRI | Honda Gresini | 113 |
7 | Colin EDWARDS | Fiat Yamaha Team | 93 |
8 | Nicky HAYDEN | Repsol Honda Team | 89 |
9 | Loris CAPIROSSI | Ducati Marlboro Team | 87 |
10 | Alex BARROS | Pramac d'Antin | 83 |
11 | Alex HOFMANN | Pramac d'Antin | 60 |
12 | Randy DE PUNIET | Kawasaki Racing Team | 58 |
13 | Toni ELIAS | Honda Gresini | 54 |
14 | Carlos CHECA | Honda LCR | 35 |
15 | Anthony WEST | Kawasaki Racing Team | 33 |
16 | 玉田 誠 | Dunlop Yamaha Tech 3 | 31 |
17 | 中野 真矢 | Konica Minolta Honda | 31 |
18 | Sylvain GUINTOLI | Dunlop Yamaha Tech 3 | 24 |
19 | Kurtis ROBERTS | Team Roberts | 9 |
20 | Roger Lee HAYDEN | Kawasaki Racing Team | 6 |
21 | Michel FABRIZIO | Honda Gresini | 6 |
22 | Fonsi NIETO | Kawasaki Racing Team | 5 |
23 | Olivier JACQUE | Kawasaki Racing Team | 4 |
24 | Kenny ROBERTS JR | Team Roberts | 4 |
コンストラクターランキング
ついにホンダがヤマハに追いついている。
順位 | コンストラクター | ポイント |
1 | DUCATI | 258 |
2 | YAMAHA | 206 |
3 | HONDA | 206 |
4 | SUZUKI | 171 |
5 | KAWASAKI | 82 |
6 | KR212V | 13 |