Moto GP 2007年第17戦 マレーシアGP

2007年のマレーシアGPは、エントリーしたライダー全員が完走するという、珍しいレースとなった。

それを反映したわけではないだろうが、序盤から高速で周回を重ねるストーナーに、4位までのライダーが追走し続けるという、ある意味2007年シーズンを振り返るような内容となった。

目次

マレーシアGP レース前のTips

開 催 日 : 2007年10月21日
コンディション : ドライ
気   温 : 32℃
路 面 温 度 : 38℃

ロッシとカピロッシの友情バトル 2006年のマレーシアGP

ロッシとカピロッシがバトルを繰り広げた、2006年のマレーシアGP。

ロッシとカピロッシは、残り周回数をまるで考えていないようなパッシング合戦を繰り広げた。

レース後の2人の満足感に満ちた振る舞いは、見ていてとても気持ち良いい。

見逃せない一戦。

  • 1位 バレンティーノ・ロッシ
  • 2位 ロリス・カピロッシ
  • 3位 ダニ・ペドロサ

ロッシがミシュランを見切る

    このころから、ロッシが来期はミシュランではなく、ブリヂストンを使用したいという意向を持っていることが公になってきている。

    チーフメカニックのジェレミー・バージェスが結論を下したがらないとロッシは述べていたようだ。

    ロッシのようなスターライダーの場合、スポンサー料も多額になるので、チーム運営にも少なからず影響がある。

    単に勝てるタイヤを選べばいいという訳にもいかないという、懐具合が見える報道だ。

    青木宣篤が参加

    スズキのテストライダーである青木宣篤が、来年のマシンのシェイクダウン(試走)を目的に、参戦している。

    青木宣篤は現在でもスズキのテストライダーとして活躍していて、そのマニアック過ぎる解説が、MotoGPファンにはたまらなく面白いので、一度読んでみて欲しい。

    セパンサーキットの概要

    セパンサーキットのコースレイアウトコース全長 : 5,548m

    コース幅 : 25m

    コーナー数 : 右10 左5

    最長ストレート : 920m

    決勝レース周回数 : 21周

    総走行距離 : 116.508km

    マレーシアGP 決勝のグリッド

    ペドロサが3戦連続でポールポジションを獲得している。過去2戦の結果はリタイヤと4位。今回こそは結果に繋がるか?

    Row Grid Rider Team Time
    1 1 Dani PEDROSA Repsol Honda Team 2'01.877
    2 Casey STONER Ducati Marlboro Team 2'01.918
    3 Marco MELANDRI Honda Gresini 2'01.944
    2 4 Randy DE PUNIET Kawasaki Racing Team 2'02.107
    5 Anthony WEST Kawasaki Racing Team 2'02.202
    6 Nicky HAYDEN Repsol Honda Team 2'02.225
    3 7 Chris VERMEULEN Rizla Suzuki MotoGP 2'02.301
    8 Toni ELIAS Honda Gresini 2'02.432
    9 Valentino ROSSI Fiat Yamaha Team 2'02.466
    4 10 John HOPKINS Rizla Suzuki MotoGP 2'02.697
    11 Loris CAPIROSSI Ducati Marlboro Team 2'02.708
    12 Alex BARROS Pramac d'Antin 2'03.022
    5 13 Colin EDWARDS Fiat Yamaha Team 2'03.040
    14 中野 真矢 Konica Minolta Honda 2'03.233
    15 Sylvain GUINTOLI Dunlop Yamaha Tech 3 2'03.408
    6 16 Carlos CHECA Honda LCR 2'03.525
    17 Chaz DAVIES Pramac d'Antin 2'04.197
    18 玉田 誠 Dunlop Yamaha Tech 3 2'04.314
    7 19 青木 宣篤 Rizla Suzuki MotoGP 2'04.604
    20 Kurtis ROBERTS Team Roberts 2'05.404

     

    マレーシアGP決勝は、珍しいペナルティで始まった

    ウォームアップラップが終わった時に、珍しい事態が起こった。
    5番グリッドのウエストが、スタート位置を間違えたのだ。

    セパンのグリッド上には、様々なレースに対応するため、多くのグリッドが引かれていたが、ウエストはうっかり、本来付くべき位置の1メートル横の他のレース用に引かれたグリッドに付けてしまった。

    本人はこのミスに気付かず、マーシャルからの指摘も無く、そのままスタートしてしまったのだった。

     

    ホールショットはストーナ―。ペドロサが2位、ドプニエが3位。
    9番グリッドスタートのロッシは11位に落ち、6番グリッドのヘイデンも10位まで落ちている。

    3周目

    上位順位とタイム差は次の通り
    ストーナー
    ↓ 0.2秒
    ペドロサ
    ↓ 0.3秒
    ドプニエ
    ↓ 0.6秒
    メランドリ
    ↓ 0.8秒
    ウエスト

    ロッシは7位、ヘイデンは9位を走行している

    4周目

    ウエストにジャンプスタートの裁定が下り、ライドスルーペナルティが課される

    5周目

    メランドリがドプニエをパスし、3位に上がる。

    5位を走行していたウエストが、ライドスルーペナルティを消化し、13位でレースに戻る。

    7周目

    7位走行中のヘイデンがファステストラップを記録する。

    トップのストーナーと、4位のメランドリの差が1秒しかない。

    9周目

    ストーナーがファステストの走りで、後続を引き離しにかかる。

    メランドリがペドロサをパスして2位に上がる。

    10周目

    ストーナーが再び、ファステストの走りで、2位のメランドリに0.7秒の差をつける。

    12周目

    順位とタイム差は次の通り
    ストーナー
    ↓ 1.5秒
    メランドリ
    ↓ 0.3秒
    ペドロサ
    ↓ 1.3秒
    ドプニエ
    ↓ 2.3秒
    ロッシ

    7位のヘイデンがコースアウトしてしまうが、転倒は免れレースに復帰。順位を10位まで落とす。

    14周目

    上位の順位とタイム差は、12周目とほぼ変動が無い。

    ストーナー
    ↓ 1.6秒
    メランドリ
    ↓ 0.4秒
    ペドロサ
    ↓ 1.0秒
    ドプニエ
    ↓ 2.9秒
    ロッシ

    15周目

    引き続き、順位タイムとも変動が無い。
    ストーナー
    ↓ 1.5秒
    メランドリ
    ↓ 0.4秒
    ペドロサ
    ↓ 1.1秒
    ドプニエ
    ↓ 2.7秒
    ロッシ

    16周目

    ストーナーが、ニューサーキットレコードを出す。

    18周目

    上位の順位とタイムは次のとおり。
    ストーナー
    ↓ 1.4秒
    メランドリ
    ↓ 0.8秒
    ペドロサ
    ↓ 0.9秒
    ドプニエ
    ↓ 2.7秒
    ロッシ

    それにしても、5.5kmのサーキットを平均時速160kmで何週もする間に、タイムが0.1秒しか違わなかったり、全く同じだったりするというのは、いったいどういうことだ?
    どんな風に走ったら、こんなに正確に走れるのだろう?

    20周目

    上位の順位とタイムは次のとおり。
    ストーナー
    ↓ 1.7秒
    メランドリ
    ↓ 0.8秒
    ペドロサ
    ↓ 1.3秒
    ドプニエ
    ↓ 1.6秒
    ロッシ

    ロッシがドプニエとの差を1秒縮めている。

    最終周

    最後まで上位の順位変動はなくフィニッシュ。

    マレーシアGPは史上初の全員参加、全員完走レース?

    2007年のマレーシアGPは、スタートにこそ珍しいペナルティが有ったものの、リタイヤ、失格、欠場が全くいないという珍しいレースになった。
    Wikipediaで調べられる1978年以降では、このようなパーフェクトなレースは史上初のようだ。

    もし違っていたら、ご指摘ください。
    順位 Rider トップとのタイム差 タイヤメーカー
    1 Casey STONER ブリヂストン
    2 Marco MELANDRI 1.701 ブリヂストン
    3 Dani PEDROSA 2.326 ミシュラン
    4 Randy DE PUNIET 3.765 ブリヂストン
    5 Valentino ROSSI 4.773 ミシュラン
    6 Toni ELIAS 17.667 ブリヂストン
    7 Chris VERMEULEN 20.950 ブリヂストン
    8 John HOPKINS 22.198 ブリヂストン
    9 Nicky HAYDEN 22.450 ミシュラン
    10 Colin EDWARDS 29.746 ミシュラン
    11 Loris CAPIROSSI 34.923 ブリヂストン
    12 Alex BARROS 35.667 ブリヂストン
    13 青木 宣篤 44.113 ブリヂストン
    14 Carlos CHECA 44.486 ミシュラン
    15 Anthony WEST 49.658 ブリヂストン
    16 中野 真矢 51.726 ミシュラン
    17 Chaz DAVIES 58.905 ブリヂストン
    18 玉田 誠 59.596 ダンロップ
    19 Sylvain GUINTOLI 1'23.119 ダンロップ
    20 Kurtis ROBERTS 1'50.960 ミシュラン

    ポイントランキング

    ポイントランキングは、相変わらずストーナーの独走だ。ペドロサがロッシに近付いていて、次戦最終戦でロッシがノーポイントでペドロサが優勝すれば、逆転可能となった。

    誰もが無理と感じていたのだが、、、、

    ライダーランキング

    順位 ライダー チーム ポイント
    1 Casey STONER Ducati Marlboro Team 347
    2 Valentino ROSSI Fiat Yamaha Team 241
    3 Dani PEDROSA Repsol Honda Team 217
    4 Marco MELANDRI Honda Gresini 174
    5 John HOPKINS Rizla Suzuki MotoGP 173
    6 Chris VERMEULEN Rizla Suzuki MotoGP 169
    7 Loris CAPIROSSI Ducati Marlboro Team 155
    8 Colin EDWARDS Fiat Yamaha Team 121
    9 Nicky HAYDEN Repsol Honda Team 119
    10 Alex BARROS Pramac d'Antin 106
    11 Randy DE PUNIET Kawasaki Racing Team 101
    12 Toni ELIAS Honda Gresini 98
    13 Alex HOFMANN Pramac d'Antin 65
    14 Carlos CHECA Honda LCR 61
    15 Anthony WEST Kawasaki Racing Team 59
    16 Sylvain GUINTOLI Dunlop Yamaha Tech 3 45
    17 中野 真矢 Konica Minolta Honda 45
    18 玉田 誠 Dunlop Yamaha Tech 3 37
    19 Kurtis ROBERTS Team Roberts 10
    20 Roger Lee HAYDEN Kawasaki Racing Team 6
    21 Michel FABRIZIO Honda Gresini 6
    22 Fonsi NIETO Kawasaki Racing Team 5
    23 Olivier JACQUE Kawasaki Racing Team 4
    24 Kenny ROBERTS JR Team Roberts 4
    25 青木 宣篤 Rizla Suzuki MotoGP 3
    25 伊藤 真一 Pramac d'Antin 1

    コンストラクターランキング

    順位 コンストラクター ポイント
    1 DUCATI 374
    2 HONDA 288
    3 YAMAHA 278
    4 SUZUKI 225
    5 KAWASAKI 137
    6 KR212V 14

       

       

       

       

      コメントを残す

      CAPTCHA


      関連キーワード

      Twitterでフォローしよう

      おすすめの記事