Moto GP 2006年第14戦 オーストラリアGP 

フラッグトゥフラッグのレースとなったが、降雨は長く続かず、レーキットの半分が乾きだし、半分はウェットという状態が、全てのライダーを翻弄した。特に中野の判断は大変勿体無く、悔いが残る。レインタイヤ車への乗り換えタイミングと、その後の対応が、レース結果を大きく変えたレース。

目次

オーストラリアGP レース前のTips

開催日 : 2006年9月17日
コンディション : ウェット
気温 : 23℃
路面温度 : 33℃

2005年のフィリップアイランド

2005年のフィリップアイランドは、ロッシ1位、ヘイデン2位、カルロス・チェカ3位。

3位のチェカは、メランドリと最後まで激しいバトルを繰り広げた。

フィリップアイランドサーキットの概要

コース全長 : 4,448mフィリップアイランドのコースレイアウト

コース幅 : 13m

最長ストレート : 900m

コーナー数 : 右5 左7

決勝レース周回数 : 26周

総走行距離 : 115.648km

フィリップアイランドGP 決勝のグリッド

ワームアップラップ途中で、サーキットの一部で雨が降り始める。これによりスタートが延期され、ウェットレースの宣言と周回数を1周短くすることが発表される。しかし降雨は激しくなく、さらにサーキットの半分はドライであったため、全車スリックタイヤのまま決勝に挑むこととなる。

Row Grid Rider Team Time
1 1 Nicky HAYDEN Repsol Honda Team 1'29.020
2 中野真矢 Kawasaki Racing Team 1'29.258
3 Valentino ROSSI Camel Yamaha Team 1'29.271
2 4 Kenny ROBERTS JR Team Roberts 1'29.662
5 Colin EDWARDS Camel Yamaha Team 1'29.680
6 Carlos CHECA Tech 3 Yamaha 1'29.865
3 7 Marco MELANDRI Fortuna Honda 1'29.949
8 Casey STONER Honda LCR 1'29.969
9 Randy DE PUNIET Kawasaki Racing Team 1'30.037
4 10 Dani PEDROSA Repsol Honda Team 1'30.081
11 玉田誠 Konica Minolta Honda 1'30.132
12 Sete GIBERNAU Ducati Marlboro Team 1'30.237
5 13 Loris CAPIROSSI Ducati Marlboro Team 1'30.393
14 Toni ELIAS Fortuna Honda 1'30.498
15 John HOPKINS Rizla Suzuki MotoGP 1'31.143
6 16 Chris VERMEULEN Rizla Suzuki MotoGP 1'31.288
17 Alex HOFMANN Pramac d'Antín MotoGP 1'31.676
18 James ELLISON Tech 3 Yamaha 1'31.998
7 19 Jose Luis CARDOSO Pramac d'Antín MotoGP 1'32.870

フィリップアイランドGP レース経過

中野のスタートが非常に良く、ホールショットを奪う。コーリンエドワーズと、ケニーロバーツがこれに続く。ロッシとヘイデンは共にスタートに失敗し、共に10位前後まで落ちてしまう。1周目から中野が早く、2位に50m以上の差をつける走り。

2周目

12番グリッドからスタートしたジベルナウが2位に上がる。一方でヘイデンは16位まで落ちてしまう。ペドロサが4位のコーリンエドワーズをパスし、4位に上がる。中野はファステストの走りで単独トップ。

3周目

中野のペースは全く落ちず、2位に3.5秒の差をつける。この時点では雨の影響はほぼなかった。

4周目

カピロッシがストーナーをパスし9位に上がる。雨量が増え始める。

5周目

ロッシがストーナー、ケニーロバーツ、コーリンエドワーズ、ペドロサ、メランドリと立て続けにパスし、4位にあがる。ジベルナウを抜き2位に上がるが、ジベルナウが抜き返す。

6周目

ジベルナウとロッシが何度もパスを繰り返す。まるで2003年のジベルナウが帰ってきたような展開。

7周目

路面がウェットになり始め、下位者がバイクを乗り換え始める。この時点で中野は2位を4.8秒リードしていた。全車完全にスロー走行となる。

8周目

6位を走っていたコーリンエドワーズが転倒リタイヤ。この時点での順位は中野、ジベルナウ、ロッシ、メランドリ、ジョン・ホプキンス、ストーナー、クリス・バーミューレン。カピロッシは10位。ヘイデンは11位。

9周目

各車続々とピットインするが、トップの中野は入らず、2位に45秒の差をつけるものの、路面はかなり濡れて来ており、低速走行となる。

10周目

中野がピットインする。この乗り換えにより順位が大きく変動する。8周目と10周目の変動は以下の通り。

ジベルナウ 2→1
クリス・バーミューレン7→2
カルロスチェカ9→3
ストーナー6→4
メランドリ4→5
中野1→6
ジョンホプキンス5→7
ロッシ3→8
ヘイデン11→9

全車レインタイヤでの走行を開始したが、雨量は増えず、一部では路面が乾きつつあったため、ピットは再度スリックを準備し始める。

11周目

メランドリが、ストーナーとカルロスチェカを抜き3位に上がる。

13周目

ジベルナウは2位に2.4秒差でトップを走る。ヘイデンがロッシをパスし7位に上がる。

14周目

コースの半分は水しぶきが上がり、半分はハーフウェットの状態。ロッシがヘイデンをパス6位に上がる。

15周目

メランドリが2位のクリス・バーミューレンをパスし2位に上がる。1位のジベルナウとは1.2秒差。

16周目

メランドリがジベルナウをパスし、トップに立つ。

17周目

9位を走っていたカルロスチェカが、スリックタイヤ車に乗り換える。クリス・バーミューレンがジベルナウをパスし2位に上がる。中野がストーナーを抜き4位に上がる。スリックに変更したチェカが転倒リタイヤ。

18周目

ロッシがストーナー、中野と抜き4位に上がる。ヘイデンは同じ集団内で7位を走行している。ストーナーとヘイデンが中野を相次いでパスし中野は8位まで落ちる。この時点でペドロサは大きく後れ14位を走行している。

19周目

4位のロッシが5位ストーナーとの差を開き始めるが、6位のヘイデンはストーナーを抜けない。ヘイデンはロッシを追うか、転倒回避の走りをするかという苦しい展開となる。

20周目

ヘイデンがストーナーをパスし、5位に上がる。

21周目

1位メランドリとのギャップは、2位バーミューレン4.56秒、3位ジベルナウ6.84秒、4位ロッシ12.94秒と、各々単独走行となっているが、ロッシはジベルナウとの差を前の周より1秒詰めている。サーキットの半分はドライになり、タイヤの消耗が激しい。

23周目

上位は各車とも我慢の展開。5位のヘイデンが4位のロッシに0.6秒差まで迫る。

24周目

ペドロサが周回遅れとなる。

最終周

バーミューレン、ジベルナウ、ロッシの差が縮まってくる。ロッシは最終コーナーでジベルナウを抜き3位に入る。

 

5位でフィニッシュしたヘイデンは、レース後に「ロッシはイエローフラッグの追い越し禁止エリア内で、周回遅れのペドロサをパスしていた(だから最終コーナーで無理にジベルナウを抜くことは避けた)」との公式抗議を行ったが、この訴えは認められず、順位の変更はなかった。

中野はトップから26秒遅れの7位。

フィリップアイランドGP レースの結果

 

順位 Rider トップとのタイム差 タイヤメーカー
1 Marco MELANDRI ミシュラン
2 Chris VERMEULEN 9.699 ブリヂストン
3 Valentino ROSSI 10.526 ミシュラン
4 Sete GIBERNAU 10.615 ブリヂストン
5 Nicky HAYDEN 10.694 ミシュラン
6 Casey STONER 11.323 ミシュラン
7 Loris CAPIROSSI 26.555 ブリヂストン
8 中野 真矢 26.666 ブリヂストン
9 Toni ELIAS 57.234 ミシュラン
10 玉田 誠 1'02.231 ミシュラン
11 Randy DE PUNIET 1'02.432 ブリヂストン
12 John HOPKINS 1'18.809 ブリヂストン
13 Alex HOFMANN 1'48.233 ダンロップ
14 Kenny ROBERTS JR 1 lap ミシュラン
15 Dani PEDROSA 1 lap ミシュラン
16 James ELLISON 2 laps ダンロップ
17 Jose Luis CARDOSO 3 laps ダンロップ
R Carlos CHECA Colin EDWARDS

 

降雨時にトップを走っていた中野は、他車のピットインタイミングを見ずに判断しなければならなかったはず。結果として、乗り換えが1周遅れたことで、順位を落としてしまった。

非常に難しい判断であったと思うが、大変残念に感じる。

 

 

 

 

 

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