カピロッシが絶好調で他を寄せ付けない走りを見せ、ロッシにも追走を断念させる圧倒的な勝利。一方でヘイデンはスタートに失敗し、未だにマシンの不調から脱し切れていなことがうかがえる。好走した中野の、最終周でのまさかの転倒が悔やまれる。
目次
日本GP レース前のTips
開催日 : 2006年9月24日
コンディション : ドライ
気温 : 27℃
路面温度 : 43℃
2005年の日本グランプリ
2005年は1位カピロッシ、2位ビアッジ、3位玉田。
年間優勝が決まるか、という一戦だったロッシは、メランドリに追突してしまい、リタイヤとなる。中野もエンジンブローでリタイヤ。20台中完走したのは11台のみというサバイバルレースだった。
カピロッシが絶好調 2年連続優勝を狙う
マシンの進化と、当日のコンディションの良さから、上位17人が昨年の最速ラップを上回る記録を出した。その中でもカピロッシが絶好調で、ポールを獲得。プレスでも昨年に続く2連勝が有力とみられていた。
ロッシはヘイデンとのポイント差を縮められるか
年間ランキング2位のロッシは、21ポイント差でヘイデンを追うが、今期の残りは僅かに3戦。 しかももてぎはロッシの苦手なサーキットであり、優勝は01年以降一度もなく、昨年も転倒リタイヤとなっている。この大事な時期でのもてぎ戦は、ヘイデンにとって有利。
松戸と秋吉がワイルドカード参戦
カワサキのテストライダー松戸直樹と、ヨシムラ・スズキのライダー秋吉耕佑がワイルドカード参戦。秋吉はMoto GPのデビュー戦。
ツインリンクもてぎの概要
コース幅 : 15m
コーナー数 : 右8 左6
最長ストレート : 762m
決勝レース周回数 : 24周
総走行距離 : 115.224km
日本グランプリ決勝のグリッド
Row | Grid | Rider | Team | Time |
1 | 1 | Loris CAPIROSSI | A Ducati Marlboro Team | 1'45.724 |
2 | Valentino ROSSI | Camel Yamaha Team | 1'45.991 | |
3 | Marco MELANDRI | Fortuna Honda | 1'46.250 | |
2 | 4 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | 1'46.291 |
5 | Sete GIBERNAU | A Ducati Marlboro Team | 1'46.316 | |
6 | Toni ELIAS | Fortuna Honda | 1'46.326 | |
3 | 7 | Nicky HAYDEN | Repsol Honda Team | 1'46.489 |
8 | Randy DE PUNIET | Kawasaki Racing Team | 1'46.512 | |
9 | Dani PEDROSA | Repsol Honda Team | 1'46.576 | |
4 | 10 | Colin EDWARDS | Camel Yamaha Team | 1'46.726 |
11 | Casey STONER | Honda LCR | 1'46.847 | |
12 | 秋吉 耕佑 | Team Suzuki MotoGP | 1'46.958 | |
5 | 13 | John HOPKINS | A Rizla Suzuki MotoGP | 1'47.071 |
14 | Kenny ROBERTS JR | Team Roberts | 1'47.310 | |
15 | Chris VERMEULEN | A Rizla Suzuki MotoGP | 1'47.451 | |
6 | 16 | 松戸 直樹 | Kawasaki | 1'47.826 |
17 | Carlos CHECA | Tech 3 Yamaha | 1'47.905 | |
18 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | 1'48.426 | |
7 | 19 | James ELLISON | Tech 3 Yamaha | 1'48.716 |
20 | Alex HOFMANN | Pramac d'Antín MotoGP | 1'48.748 | |
21 | Jose Luis CARDOSO | Pramac d'Antín MotoGP | 1'50.359 |
日本GP レースの経過
カピロッシが絶好のスタートを切り、ホールショットを奪う。これにメランドリ、ジベルナウ、ロッシ、中野と続く。ヘイデンはスタートに失敗し、9位に順位を落とす。1周目から激しいポジション争いが繰り広げられ、S字でロッシがジベルナウをパスする。メランドリはカピロッシを猛追している。11番グリッドスタートのストーナーが中野をパスし5位に上がってくる。いつもながらストーナーのスタートは凄い。
2周目
ストーナーがジベルナウをパスし4位に上がる
3周目
メランドリが、接触するかと思うほどの距離で、カピロッシをマークしている。ストーナーが最速ラップを記録する。先頭集団6台と第二集団の差が開くが、8位を走行しているヘイデンは、7位のトニーエリアスをパスできない。
4周目
4周目に入ったところでは、先頭から6位までの差は1.9秒(カピロッシ、メランドリ、ロッシ、ストーナー、ジベルナウ、中野)。ヘイデンは2.7秒遅れの8位。
5周目
先頭のカピロッシとメランドリが先行し始める。
6周目
ヘイデンがトニーエリアスをパスし、7位に上がる。6位の中野との差は1.8秒。
7周目
先頭2台にロッシが追いつく。先頭3台と残り3台(ストーナー、ジベルナウ、中野)の差が開き始める。ヘイデンが中野との差を0.5秒縮め、1.2秒とする。中野とジベルナウの間が開き始める。
9周目
ヘイデンと中野の差が0.7秒まで縮まる。
10周目
メランドリがカピロッシに追いつくものの、5コーナーでラインを外してしまう。これによりカピロッシとの差が開き、ロッシに追いつかれる。
11周目
ストーナーが8位に落ち、中野が5位、ヘイデンが6位に上がっている。中野とヘイデンの差は0.5秒。
12周目
カピロッシとメランドリの差は0.8秒。ロッシがメランドリにプレッシャーをかけ始める。
13周目
V字コーナーでストーナーが転倒リタイヤ。
14周目
カピロッシがメランドリとの差を1.6秒に開く。ロッシがメランドリを抜こうとするが、攻めきれない。
15周目
ロッシがメランドリをパスし、2位に上がる。カピロッシとの差は1.5秒。中野とヘイデンの差が1秒に開いている。
16周目
ロッシがサーキットレコードの走りで、カピロッシとの差を1.1秒に縮める。
17周目
カピロッシがペースアップし、ロッシとの差を1.3秒まで開く。
18周目
カピロッシもロッシもペースが落ちない。
19周目
ロッシのペースが落ち、差が2.2秒に開く。6位のヘイデンは、5位中野との差を縮めることが出来ない。
20周目
カピロッシとロッシの差は、2.7秒。
21周目
5位の中野が4位のジベルナウに0.4秒差に迫る。中野と6位ヘイデンの差は1.5秒。
22周目
ヘイデンと中野の差が0.9秒まで縮まる。カピロッシはロッシに対して3.4秒のリードを築いている。
23周目
カピロッシがリードを4.1秒に延ばす。
最終ラップ
中野が90度コーナーでジベルナウに仕掛けるが、ジベルナウに行く手を塞がれる形となり、接触を回避したところ転倒。ゴール直前でのリタイヤ。これによりヘイデンが5位に上がる。カピロッシはロッシに5秒差をつけての勝利。
日本GP レースの結果
順位 | Rider | トップとのタイム差 | タイヤメーカー |
1 | Loris CAPIROSSI | ー | ブリヂストン |
2 | Valentino ROSSI | 5.088 | ミシュラン |
3 | Marco MELANDRI | 8.378 | ミシュラン |
4 | Sete GIBERNAU | 9.712 | ブリヂストン |
5 | Nicky HAYDEN | 11.944 | ミシュラン |
6 | Toni ELIAS | 18.108 | ミシュラン |
7 | Dani PEDROSA | 19.937 | ミシュラン |
8 | Colin EDWARDS | 22.492 | ミシュラン |
9 | Kenny ROBERTS JR | 26.824 | ミシュラン |
10 | 玉田 誠 | 30.970 | ミシュラン |
11 | Chris VERMEULEN | 39.263 | ブリヂストン |
12 | John HOPKINS | 39.440 | ブリヂストン |
13 | 秋吉 耕佑 | 45.595 | ブリヂストン |
14 | Carlos CHECA | 49.571 | ダンロップ |
15 | James ELLISON | 1'09.085 | ダンロップ |
16 | Alex HOFMANN | 1'11.748 | ダンロップ |
R | 中野真矢 Casey STONER Randy DE PUNIET
松戸直樹 Jose Luis CARDOSO |