第4戦の上海GPでブリヂストンの特性を掴んだロッシ。地元GPでもストーナーとペドロサの追走を振り切り、上海とル・マンに引き続いての3連勝を飾った。
前戦でエンジントラブルにより表彰台を逃したストーナーは、辛くも2位に入りポイントを積み上げる一方で、骨折をものともせず2位となったロレンソはまさかの転倒リタイヤとなってしまい、今後のポイントランキングへの影響を予感させる結果となった。
目次
ムジェロGP レース前のTips
開催日 ： 2008年6月1日
コンディション ： ドライ
気温 ： 29℃
路面温度 ： 42℃
2007年のムジェロGPは大混戦
2007年のムジェロは1位から7位までが0.6秒差で走るという大接戦から一人抜け出したロッシが、最高の走りで快勝した。
シーズン前半に圧倒的な性能を見せていたドカティとブリヂストンタイヤが、ロッシのマシンとミシュランタイヤの両方が改善するにつれアドバンテージを失い、流れが変わり始めたのが感じられる一戦となった。
- 1位 バレンティーノ・ロッシ
- 2位 ダニ・ペドロサ
- 3位 アレックス・バロス
ロッシが勝てば歴代2位
前戦で世界グランプリ通算90勝を達成してアンヘル・ニエトに並ぶ優勝回数歴代2位となったロッシは、このGPで勝利すると単独2位となる。ロッシは故郷GPに錦を飾れるか？
（2020年10月現在、歴代一位はジャコモ・アゴスチーニの122勝、ロッシは115勝で2位）
ロレンソがGP100戦目
ロレンソがグランプリデビューから100戦目を迎えた。
岡田忠之がワイルドカード参戦
2000年を最後にMoto GP（当時はGP500)を去った岡田忠之が、ホンダの新開発ニューマチックバルブ搭載のRC212Vの実戦テストのためスポット参戦している。
ムジェロの概要
コース全長 ： 5,245ｍ
コース幅 ： 14m
コーナー数 ： 右9 左6
最長ストレート ： 1,141m
決勝レース周回数 ： 23周
総走行距離 ： 120.635km
ロッシが1年ぶりのPP カピロッシは2年ぶりのフロントロウ
ロッシがブリヂストンを採用して初、07年のカタルニアGP以来、1年ぶりのポールを獲得している。ロッシのポール獲得は50回目。
カピロッシは06年の最終戦依頼、1年半ぶりのフロントロウ。
| Row | Grid | Rider | Team | Time |
| 1 | 1 | Valentino ROSSI | Fiat Yamaha Team | 1'48.130 |
| 2 | Dani PEDROSA | Repsol Honda Team | 1'48.297 | |
| 3 | Loris CAPIROSSI | Rizla Suzuki MotoGP | 1'48.313 | |
| 2 | 4 | Casey STONER | Ducati Marlboro Team | 1'48.375 |
| 5 | Colin EDWARDS | Tech 3 Yamaha | 1'48.383 | |
| 6 | Nicky HAYDEN | Repsol Honda Team | 1'48.666 | |
| 3 | 7 | Jorge LORENZO | Fiat Yamaha Team | 1'48.905 |
| 8 | James TOSELAND | Tech 3 Yamaha | 1'49.025 | |
| 9 | 中野 真矢 | San Carlo Honda Gresini | 1'49.095 | |
| 4 | 10 | Alex DE ANGELIS | San Carlo Honda Gresini | 1'49.145 |
| 11 | Chris VERMEULEN | Rizla Suzuki MotoGP | 1'49.220 | |
| 12 | Randy DE PUNIET | LCR Honda MotoGP | 1'49.246 | |
| 5 | 13 | Andrea DOVIZIOSO | JiR Team Scot MotoGP | 1'49.565 |
| 14 | John HOPKINS | Kawasaki Racing Team | 1'49.601 | |
| 15 | 岡田 忠之 | Repsol Honda Team | 1'49.829 | |
| 6 | 16 | Toni ELIAS | Alice Team | 1'49.851 |
| 17 | Sylvain GUINTOLI | Alice Team | 1'50.275 | |
| 18 | Marco MELANDRI | Ducati Marlboro Team | 1'50.465 | |
| 7 | 19 | Anthony WEST | Kawasaki Racing Team | 1'50.889 |
ロッシ、ストーナー、ペドロサのミスが許されない争い
ペドロサがロケットスタートでホールを奪う。2番手は4番グリッドスタートのストーナー。ロッシはカピロッシに続く4位に付ける。
ロッシはカピロッシがラインを外した隙に、3位に上がる。
1周目が終わるホームストレートで、ストーナーがペドロサを抜き去りトップに立つ。
2周目
ストーナー、ペドロサ、ロッシ、カピロッシが先頭集団となり始めている。
5位争いはヘイデン、ドビチオーゾ、ロレンソ、エドワーズ、トーズランド、中野の6人。
3周目
ホームストレートエンドで、ロッシがペドロサに並びそのままコーナーリングに入るが、ペドロサが僅かに先行し、2位を守る。
ドビチオーゾとロレンソが立て続けにヘイデンをパスして、5位と6位に上がる。
最終コーナーでロッシがペドロをパスして2位に
4周目
ロッシがS字コーナーでストーナーをパスしてトップに立つ。
5周目
ストーナーがサーキットレコードを記録するが、ロッシとの差は僅かにしか縮まらない。
６周目
先頭集団から4位のカピロッシが遅れ始める。
13位走行中のドプニエが転倒し、メランドリが巻き込まれる。両者リタイヤ。
カピロッシの後ろでドビチオーゾとロレンソが5位を争っている
7周目
13位で走行していたホプキンスが転倒リタイヤ
右コーナーで6位のロレンソが5位のドビチオーゾをアウトからパスするも、止まりきれずに芝を踏んでしまい転倒リタイヤとなる
9周目
9周目に入った時点での上位陣は次の通り
ロッシ
↓ 0.7秒
ストーナー
↓ 0.2秒
ペドロサ
↓ 3.4秒
カピロッシ
10番グリッドスタートのデ・アンジェリスがカピロッシに次ぐ5位に上がっている
デ・アンジェリスがカピロッシをパスして4位に上がる
10周目
ストーナーが第一コーナーではらんでしまい、ペドロサにパスされる
11周目
トーズランドがカピロッシをパスして、デ・アンジェリスに続く5位に上がる
13周目
13周目に入った時点での上位陣は次の通り
ロッシ
↓ 2.0秒
ペドロサ
↓ 0.3秒
ストーナー
↓ 5.2秒
デ・アンジェリス
14周目
第一コーナーでストーナーがペドロサをパスして2位に戻る
16周目
16周目に入った時点での上位陣は次の通り
ロッシ
↓ 2.7秒
ストーナー
↓ 0.4秒
ペドロサ
↓ 4.8秒
デ・アンジェリス
デ・アンジェリスが僅かだが、タイムを縮めてきている
20周目
20周目に入った時点での上位陣は次の通り
ロッシ
↓ 2.9秒
ストーナー
↓ 1.1秒
ペドロサ
↓ 4.5秒
デ・アンジェリス
ストーナーとペドロサの差が開いている
最終周
最終周に入った時点での上位陣は次の通り
ロッシ
↓ 3.2秒
ストーナー
↓ 1.9秒
ペドロサ
↓ 2.0秒
デ・アンジェリス
デ・アンジェリスがペドロサに追いつく勢いを見せるが、そのままフィニッシュ。
ムジェロGPの結果
ロッシが世界グランプリ通算で91勝を達成し、歴代2位となった。
デ・アンジェリスは惜しくも4位
| 順位 | Rider | トップとのタイム差 | タイヤメーカー |
| 1 | Valentino ROSSI | ― | ブリヂストン |
| 2 | Casey STONER | 2.201 | ブリヂストン |
| 3 | Dani PEDROSA | 4.867 | ミシュラン |
| 4 | Alex DE ANGELIS | 6.313 | ブリヂストン |
| 5 | Colin EDWARDS | 12.530 | ミシュラン |
| 6 | James TOSELAND | 13.806 | ミシュラン |
| 7 | Loris CAPIROSSI | 14.447 | ブリヂストン |
| 8 | Andrea DOVIZIOSO | 15.319 | ミシュラン |
| 9 | 中野 真矢 | 15.327 | ブリヂストン |
| 10 | Chris VERMEULEN | 30.785 | ブリヂストン |
| 11 | Sylvain GUINTOLI | 39.621 | ブリヂストン |
| 12 | Toni ELIAS | 50.021 | ブリヂストン |
| 13 | Nicky HAYDEN | 50.440 | ミシュラン |
| 14 | 岡田 忠之 | 58.849 | ミシュラン |
| 15 | Anthony WEST | 1'00.736 | ブリヂストン |
| R | Jorge LORENZO、John HOPKINS、
Randy DE PUNIET、Marco MELANDRI |
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ペドロサとロレンソが逆転 ： ポイントランキング
転倒リタイヤのロレンソが3位にダウン。順位こそ1ランクダウンだが、2位に返り咲いたペドロサと16ポイントも差がついてしまったのが痛い。
4位に入ったデ・アンジェリスは、16位から13位にジャンプアップ！
ライダーランキング
| 順位 | ライダー | チーム | ポイント |
| 1 | Valentino ROSSI | Fiat Yamaha Team | 122 |
| 2↑ | Dani PEDROSA | Repsol Honda Team | 110 |
| 3↓ | Jorge LORENZO | Fiat Yamaha Team | 94 |
| 4 | Casey STONER | Ducati Marlboro Team | 76 |
| 5 | Colin EDWARDS | Tech 3 Yamaha | 58 |
| 6 | Loris CAPIROSSI | Rizla Suzuki MotoGP | 51 |
| 7↑ | Andrea DOVIZIOSO | JiR Team Scot MotoGP | 44 |
| 8↑ | James TOSELAND | Tech 3 Yamaha | 43 |
| 9↓ | Nicky HAYDEN | Repsol Honda Team | 37 |
| 10 | 中野 真矢 | San Carlo Honda Gresini | 35 |
| 11↑ | Chris VERMEULEN | Rizla Suzuki MotoGP | 31 |
| 12↓ | John HOPKINS | Kawasaki Racing Team | 26 |
| 13↑ | Alex DE ANGELIS | San Carlo Honda Gresini | 24 |
| 14↓ | Marco MELANDRI | Ducati Marlboro Team | 24 |
| 15↓ | Toni ELIAS | Alice Team | 24 |
| 16↓ | Randy DE PUNIET | LCR Honda MotoGP | 18 |
| 17 | Sylvain GUINTOLI | Alice Team | 12 |
| 18 | Anthony WEST | Kawasaki Racing Team | 5 |
| 19 | 岡田 忠之 | Repsol Honda Team | 2 |
コンストラクターランキング
| 順位 | コンストラクター | ポイント |
| 1 | YAMAHA | 140 |
| 2 | HONDA | 110 |
| 3 | DUCATI | 81 |
| 4 | SUZUKI | 54 |
| 5 | KAWASAKI | 29 |
