Moto GP2008年第9戦のアッセン(オランダ)GPは、ストーナーが第一予選の開始後15分でヘイデンが2006年に記録したサーキットレコードを更新するという、もう何と言えば良いか、、、レースしなくても結果見えてるよね~って雰囲気で幕を開けた。
ストーナーはその後も絶好調で、ポールポジションレコードまでも更新してポールを獲得し、決勝も独走、と完全な一人舞台。
その一方で年間ランキングトップで昨年のアッセン覇者であるロッシは、思わぬミスで最下位!
さらに3位確実と思われたヘイデンは、ゴール直前で燃料切れ!
波乱含みのレースが多いアッセンだが、2008年も想像を超えるドラマチックな展開となった。
目次
アッセンGP レース前のTips
開催日 : 2008年6月28日
コンディション : ドライ
気温 : 20℃
路面温度 : 24℃
路面状況はドライだが、天候が不安定なため、各チームともレイン用のスペアバイクを用意している。
ロッシが怒涛の追い上げ! : 2007年のアッセンGP振り返り
2007年のアッセンGPは、序盤からストーナーが1秒以上のアドバンテージを築き、必勝パターンに持ち込んだ。
このまま独走かと思われたが、11番グリッドからスタートしたロッシが怒涛の追い上げを見せ、14周目にストーナーに追いつく。
ストーナーも必死にロッシのコースを塞ぎパッシングを阻止するが、残り3周でついにロッシがトップに立ち、そのまま勝利を飾った。
- 1位 バレンティーノ・ロッシ
- 2位 ケーシー・ストーナー
- 3位 ニッキー・ヘイデン
ストーナーが絶好調
ストーナーが、2006年にホプキンスが記録したポールポジションレコードを1秒近く更新して、ポールを獲得している。ストーナーは第7戦のカタルニア以来、3戦連続でのポールポジション。
カピロッシとホプキンスが欠場
前戦に続いてカピロッシが欠場。前回はベン・スピーズが代役を務めたが、今回は出走していない。天候が安定しないため、出走ではなく、レース後のテスト走行へ注力したとのこと。
ポールポジション記録を持ち、前年は5位であったホプキンスが、前日のクラッシュで足首を骨折し欠場となってしまった。米国に帰国して検査を受けることになっている。
アッセンの概要
コース幅 : 14m
コーナー数 : 右11 左6
最長ストレート : 560m
決勝レース周回数 : 26周
総走行距離 : 118.43km
ストーナーが3戦連続でポール : 決勝グリッド
ストーナーが3戦連続でポールポジションを獲得している。
ペドロサが0.03秒差の2番グリッド。ストーナーもペドロサもスタートがうまいライダーなので、1周目から激しんトップ争いとなるはずだ。
2006年のアッセンで劇的なフィニッシュを演じたヘイデンとエドワーズが4番と6番にいるのも要注目。
前戦で怒涛の追い上げを見せたロレンソが7番にいるが、今回はどうか?
Row | Grid | Rider | Team | Time |
1 | 1 | Casey STONER | Ducati Marlboro Team | 1'35.520 |
2 | Dani PEDROSA | Repsol Honda Team | 1'35.552 | |
3 | Valentino ROSSI | Fiat Yamaha Team | 1'35.659 | |
2 | 4 | Nicky HAYDEN | Repsol Honda Team | 1'35.975 |
5 | Randy DE PUNIET | LCR Honda MotoGP | 1'35.985 | |
6 | Colin EDWARDS | Tech 3 Yamaha | 1'36.278 | |
3 | 7 | Jorge LORENZO | Fiat Yamaha Team | 1'36.532 |
8 | Chris VERMEULEN | Rizla Suzuki MotoGP | 1'36.768 | |
9 | 中野 真矢 | San Carlo Honda Gresini | 1'36.804 | |
4 | 10 | Sylvain GUINTOLI | Alice Team | 1'36.823 |
11 | Andrea DOVIZIOSO | JiR Team Scot MotoGP | 1'36.899 | |
12 | Alex DE ANGELIS | San Carlo Honda Gresini | 1'36.948 | |
5 | 13 | James TOSELAND | Tech 3 Yamaha | 1'36.978 |
14 | Toni ELIAS | Alice Team | 1'37.287 | |
15 | Anthony WEST | Kawasaki Racing Team | 1'37.793 | |
6 | 16 | Marco MELANDRI | Ducati Marlboro Team | 1'38.726 |
やっぱり荒れた! アッセンGP
2番グリッドのペドロサが良いスタートを切り、ホールショットを奪う。これにストーナーとヘイデンが続く。
ロッシは出遅れてしまい集団に飲まれる。9番グリッドの中野が良いスタートで順位を上げ、4位で1コーナーを抜けた。
最初の左コーナーである第5コーナーで、6位走行中のロッシがドプニエをパスしようとしたところ、前輪のグリップを失い転倒! ドプニエを巻き込んでしまう。
ロッシの直後を走っていたエドワーズはこれを避けようとしてコースアウトし、14位に落ちてしまう。
自分もそう思った、、、
ドプニエだし、、
ロッシはレースに復帰するが最下位に落ちる。バイクの側面に衝突されてしまったドプニエはリタイヤとなる。
デアンジェリスが単独転倒リタイヤ。
1周目にて早くもペドロサとストーナーが抜けている。
シケインの進入でストーナーがペドロサをパスしてトップに立つ
ヘイデンもペドロサに迫っている。中野が単独4位を走行。5位はドビチオーゾ。
2周目
ストーナーがペドロサとの差を開き始める。
2周目後半でヘイデンがペドロサに迫っている。
中野は少し差をあけられて4位のまま走行。
3周目
ストーナーは早くも1.5秒のリード。
5位ドビチオーゾと6位バーミューレンが4位の中野に近付いてくる。
2位のペドロサが3位のヘイデンとの差を開いている。
5周目
ドビチオーゾが中野をパスして4位に上がる。中野のすぐ後ろにはバーミューレンが迫っている。中野は粘るが、シケインへの進入でバーミューレンにもパスされてしまう。
トップのストーナーは、2位のペドロサ、3位のヘイデンより1周当たり2秒早いタイムで走行していて、手が付けられない状態。
7周目
バーミューレンがドビチオーゾをパスして4位に上がる。
6位の中野もこの2人に遅れずに追走している。
10周目
ロッシの転倒を避けたことで14位に落ちたエドワーズが、ロレンソをパスして7位まで上がってきている!
12周目
12周目に入った段階での上位順は次の通り。
ストーナー
↓ 4.5秒
ペドロサ
↓ 1.9秒
ヘイデン
↓ 5.3秒
バーミューレン
↓ 0.2秒
ドビチオーゾ
↓ 0.4秒
中野
ドビチオーゾがバーミューレンをパスして抜き4位に返り咲く。
中野も遅れずに走ってるが、これに続くエドワーズが0.5秒早いラップで走っていて、追いつかれそうな気配。これを受け中野がペースアップし、バーミューレンを抜くかと思う走りを見せる。
13周目
ホームストレートでエドワーズが中野をパスして6位となる
14周目
中野が少し遅れ始める。エドワーズがバーミューレンをパスして5位に上がり、更にシケイン進入でドビチオーゾもパスして4位となる。
15周目
中野が再度バーミューレンに追いついているがパッシングには至らない。
17周目
17周目に入った段階での上位順は次の通り。
ストーナー
↓ 5.9秒
ペドロサ
↓ 3.3秒
ヘイデン
↓ 3.8秒
エドワーズ
↓ 1.5秒
ドビチオーゾ
↓ 1.8秒
バーミューレン
↓ 0.2秒
中野
バーミューレンがコースアウトし、中野が6位に上がる。バーミューレンは7位でレースに復帰。
20周目
ロレンソがバミューレンンをパスして7位に上がる。前を行く中野との差は0.5秒位か?
21周目
ロレンソが中野をパスして6位となる。
ロッシがメランドリをパスして12位に上がる。
23周目
23周目に入った段階での上位順は次の通り。
ストーナー
↓ 9.8秒
ペドロサ
↓ 2.4秒
ヘイデン
↓ 2.7秒
エドワーズ
↓ 8.9秒
ドビチオーゾ
↓ 2.6秒
ロレンソ
シケイン進入でロッシがエリアスをパスして11位に上がる。
24周目
バーミューレンが中野をパス。中野は8位に落ちる。
25周目
残り2周の時点での上位順は次の通り。
ストーナー
↓ 11.4秒
ペドロサ
↓ 2.3秒
ヘイデン
↓ 3.8秒
エドワーズ
↓ 9.7秒
ドビチオーゾ
↓ 1.5秒
ロレンソ
最終周
ストーナーとペドロサがゴールした直後、3位を走行していたヘイデンのマシンがガス欠をおこし、エンジンが止まってしまう。この間にエドワーズがパスし3位でフィニッシュ。ヘイデンはマシンの惰性で走行し、4位でゴールする。
因縁を感じずにはいられない!!
アッセンGPの結果
惜しくも3位を逃したヘイデンだが、サイディングラップからバイクに違和感を感じていたらしい。セカンドマシンに変えるかという話もあったが、賭けになってしまうので、そのまま出走したとの事だった。
2006年に優勝したときも、マシンは完ぺきではなかったし、2007年もそうだった。方やペドロサは結果を残している。体重差もあるのだろうが、このあたりが上位を占めるライダーと、今一歩手が届かないライダーの差なのだろうか?
順位 | Rider | トップとのタイム差 | タイヤメーカー |
1 | Casey STONER | - | ブリヂストン |
2 | Dani PEDROSA | 11.310 | ミシュラン |
3 | Colin EDWARDS | 17.125 | ミシュラン |
4 | Nicky HAYDEN | 20.477 | ミシュラン |
5 | Andrea DOVIZIOSO | 27.346 | ミシュラン |
6 | Jorge LORENZO | 28.608 | ミシュラン |
7 | Chris VERMEULEN | 32.330 | ブリヂストン |
8 | 中野 真矢 | 34.892 | ブリヂストン |
9 | James TOSELAND | 38.566 | ミシュラン |
10 | Sylvain GUINTOLI | 38.817 | ブリヂストン |
11 | Valentino ROSSI | 46.025 | ブリヂストン |
12 | Toni ELIAS | 48.213 | ブリヂストン |
13 | Marco MELANDRI | 59.594 | ブリヂストン |
R | Anthony WEST、Randy DE PUNIET、Alex DE ANGELIS |
ポイントランキング
ペドロサが首位に立ち、ストーナーがロッシに25ポイント差まで迫ってきた。後半戦への期待が高まる。
ライダーランキング
順位 | ライダー | チーム | ポイント |
1↑ | Dani PEDROSA | Repsol Honda Team | 171 |
2↓ | Valentino ROSSI | Fiat Yamaha Team | 167 |
3 | Casey STONER | Ducati Marlboro Team | 142 |
4 | Jorge LORENZO | Fiat Yamaha Team | 114 |
5 | Colin EDWARDS | Tech 3 Yamaha | 98 |
6 | Andrea DOVIZIOSO | JiR Team Scot MotoGP | 79 |
7 | Nicky HAYDEN | Repsol Honda Team | 70 |
8 | James TOSELAND | Tech 3 Yamaha | 60 |
9↑ | Chris VERMEULEN | Rizla Suzuki MotoGP | 57 |
10 | 中野 真矢 | San Carlo Honda Gresini | 57 |
11↓ | Loris CAPIROSSI | Rizla Suzuki MotoGP | 51 |
12↑ | Toni ELIAS | Alice Team | 33 |
13↓ | John HOPKINS | Kawasaki Racing Team | 32 |
14↓ | Marco MELANDRI | Ducati Marlboro Team | 29 |
15 | Alex DE ANGELIS | San Carlo Honda Gresini | 25 |
16↑ | Sylvain GUINTOLI | Alice Team | 24 |
17↓ | Randy DE PUNIET | LCR Honda MotoGP | 22 |
18 | Anthony WEST | Kawasaki Racing Team | 16 |
19 | Ben SPIES | Rizla Suzuki MotoGP | 2 |
20 | 岡田 忠之 | Repsol Honda Team | 2 |
コンストラクターランキング
順位 | コンストラクター | ポイント |
1 | YAMAHA | 196 |
2 | HONDA | 171 |
3 | DUCATI | 147 |
4 | SUZUKI | 80 |
5 | KAWASAKI | 41 |