2005年シーズンは、ロッシの1年だった。
全16戦中優勝11回、2位が3回、3位が1回という驚きの内容で年間優勝を決め、500cc時代も含めると最高峰クラスで5連覇を達成した。
目次
Moto GP 2005年の見どころ
2005年の見どころは「ロッシの大活躍」これに尽きる。とにかく、寝ても覚めてもロッシ、ロッシ、ロッシである。ロッシファンにとっては、これほど楽しめる1年は無かったのではないかと思う。
ロッシと互角に戦えるはずのセテ・ジベルナウは、ロッシのプレッシャーを受け、見るも無残に自滅していくし、念願のワークスライダーとなったビアッジは、期待に全く応えられなかった。
新しく台頭してきたメランドリやヘイデンは、まだロッシに敵わない。
ロッシ以外が全くダメなのである。
そのため、おススメのレース数もあまり多くない。
ロッシが勝つところを見たいのであれば、最高のシーズンだが、バトルが見たいなら、★で示すオススメのレースだけを見れば十分かと思う。
Moto GP 2005の最終順位表
ライダー別順位
先ずはライダー別の順位から。
上位5名のポイント推移はこのようになった。
もう、文句なしのロッシ独走。この表だけで、この年のロッシがどれだけ強かったかが分かる。
一度も首位を明け渡すことなく、ポイント差は開く一方だった。
ロッシの赤線を見ていると、ヘイデンとビアッジが在籍した、レプソル・ホンダの焦り具合を見ているようだ。
この焦りが、翌年のヘイデン専用マシンの開発に繋がったのかもしれない。
参考までに、ロッシを除いた2位から7位までのポイント推移はこのようになっている。
この方がポイントの推移が分かり易いと思う。
これらのライダーとロッシが大きく異なるのは、”踊り場”の数だろう。
どのライダーも2~3回の踊り場(ノーポイント)があるが、ロッシがノーポイントとなったのは、第12戦の日本GPだけだった。しかもその他の16戦は全て表彰台に立っている。その内容は優勝が11回、2位が3回、3位が1回という驚きの内容である。
数字を客観的に見ても、やはり2005年は”ロッシの年”なのだ。
その他も含めた、全ライダーのポイント数はこの通り。
順位 | ライダー | チーム | タイヤ | ポイント数 |
1 | Valentino ROSSI | Gauloises Yamaha Team | ミシュラン | 367 |
2 | Marco MELANDRI | Movistar Honda MotoGP | ミシュラン | 220 |
3 | Nicky HAYDEN | Repsol Honda Team | ミシュラン | 206 |
4 | Colin EDWARDS | Gauloises Yamaha Team | ミシュラン | 179 |
5 | Max BIAGGI | Repsol Honda Team | ミシュラン | 173 |
6 | Loris CAPIROSSI | Ducati Marlboro Team | ブリヂストン | 157 |
7 | Sete GIBERNAU | Movistar Honda MotoGP | ミシュラン | 150 |
8 | Alex BARROS | Camel Honda | ミシュラン | 147 |
9 | Carlos CHECA | Ducati Marlboro Team | ブリヂストン | 138 |
10 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | ミシュラン | 98 |
11 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | ミシュラン | 91 |
12 | Toni ELIAS | Fortuna Yamaha Team | ミシュラン | 74 |
13 | Kenny ROBERTS Jr. | Team Suzuki MotoGP | ブリヂストン | 63 |
14 | John HOPKINS | Team Suzuki MotoGP | ブリヂストン | 63 |
15 | Troy BAYLISS | Camel Honda | ミシュラン | 54 |
16 | Ruben XAUS | Fortuna Yamaha Team | ミシュラン | 52 |
17 | Olivier JACQUE | Kawasaki Racing Team | ミシュラン | 28 |
18 | Roberto ROLFO | Team d’Antin Pramac | ダンロップ | 25 |
19 | Alex HOFMANN | Kawasaki Racing Team | ミシュラン | 24 |
20 | Jurgen vd GOORBERGH | Konica Minolta Honda | ミシュラン | 12 |
21 | Chris VERMEULEN | Camel Honda | ミシュラン | 10 |
22 | Franco BATTAINI | Blata WCM | ダンロップ | 7 |
23 | James ELLISON | Blata WCM | ダンロップ | 7 |
24 | Shane BYRNE | Camel Honda / Team Roberts | ミシュラン | 6 |
25 | 清成 龍一 | Camel Honda | ミシュラン | 4 |
26 | David CHECA | Fortuna Yamaha Team | ミシュラン | 4 |
27 | 宇川 徹 | Moriwaki Racing | ミシュラン | 1 |
バイクメーカー別の順位
次はバイクメーカー別順位。
順位 | メーカー | ポイント数 |
1 | YAMAHA | 381 |
2 | HONDA | 341 |
3 | DUCATI | 202 |
4 | KAWASAKI | 126 |
5 | SUZUKI | 100 |
6 | BLATA | 13 |
7 | PROTON KR | 1 |
8 | MORIWAKI | 1 |
6位のBLATAはチェコの会社。7位のPROTON KRはTeam Robertsの自社設計バイク。8位のMORIWAKIは(説明不要かと思いますが)日本の会社で、ホンダのエンジンを自社制作のフレームに搭載している。
チーム別の順位
最後にチーム別の順位。
順位 | チーム | ポイント |
1 | GAULOISES YAMAHA TEAM | 546 |
2 | REPSOL HONDA TEAM | 379 |
3 | MOVISTAR HONDA MOTOGP | 370 |
4 | DUCATI MARLBORO TEAM | 295 |
5 | CAMEL HONDA | 220 |
6 | KAWASAKI RACING TEAM | 150 |
7 | FORTUNA YAMAHA TEAM | 130 |
8 | TEAM SUZUKI MOTOGP | 126 |
9 | KONICA MINOLTA HONDA | 103 |
10 | TEAM D’ANTIN PRAMAC | 25 |
11 | BLATA WCM | 14 |
12 | TEAM ROBERTS | 1 |
2005年 MotoGP全レースのレビュー
それでは、1戦ごとに概略を。
★はお勧めのレース、★★は見逃せないレースです。
第1戦 スペイン ヘレスGP ★
最終ラップのジベルナウとロッシのバトルは必見。
最終コーナーのロッシの強引なパッシングとその結果が、今期の行方を暗示していたのかもしれない。
フロント・ロウはロッシ、ジベルナウ、メランドリ。中野が5番、玉田が7番グリッドに付ける。
序盤はジベルナウ、ヘイデン、ロッシ、メランドリが先行する。トップはジベルナウ。中野が5位。
5周目にロッシがヘイデンをパスし2位に上がる。トップはジベルナウ。
13周目からジベルナウとロッシが先行し、2台の争いとなる。
残り5周でヘイデンが転倒。
残り2周でロッシのリアが暴れだすが、その中でもロッシがパスに成功しトップに立つ。
最終ラップはジベルナウとロッシの激しい抜き合いが展開する。最終コーナーで、ロッシが強引なインへの突っ込みをみせ、ジベルナウと接触。ジベルナウがグラベルにはじき出される事となり、ロッシがトップでゴールする。ジベルナウは何とか体勢を持ち直し、3位でゴール。
ムリな追い越しに際して、ダイレクション介入もありえる状況であったが、裁定は下されず、そのまま順位確定となる。
- 1位 バレンティーノ・ロッシ
- 2位 ニッキー・ヘイデン
- 3位 セテ・ジベルナウ
第2戦エストリル・ポルトガル ★
Moto GPに初めてフラッグ・トゥ・フラッグが適用されたレース。
9周目でフラッグ・トゥ・フラッグが宣言されるが、雨が強くならずに小雨となっていたことから、レインタイヤに変えるライダーは居なかったものの、残り5周で再びの降雨。各車とも今更ピットインするわけにもいかず、我慢の展開となった。
新ルールと、気まぐれな天候の両方に翻弄されたレース。
フロントロウはバロス、ジベルナウ、チェカ。ロッシは4番グリッド。
気温が低く、ところどころウェットという状況。前回のロッシとの接触と、前日の転倒で肩を負傷しているジベルナウが、痛み止めが効いている間にアドバンテージを得るべく、1周目から引き離しにかかる。
ビアッジ、ロッシ、バロス、エドワーズが激しく2位を争うが、すぐにバロスが抜け出す。その後もジベルナウとバロスがハイペースで4位のロッシ、5位のビアッジとの差を開いていく。
9周目に小雨となり、初のフラッグ・トゥ・フラッグが示される。
霧雨の難しい状況の中、トップ独走のジベルナウが16周目に転倒リタイヤ。これまでに経験が無いフラッグ・トゥ・フラッグの対応に、緊張した状況が続く。
徐々に雨は止み、ジベルナウの転倒が悔やまれる。
残り5周で再び雨となり、各車ともピットするわけにもいかず、我慢の展開となる。
最終ラップではバロスのリアが何度か流れる緊張の展開となるが、そのままゴールする。
レース展開は激しくないが、天候と新ルールの影響で、とても緊張感の高いレースである。
- 1位 アレックス・バロス
- 2位 バレンティーノ・ロッシ
- 3位 マックス・ビアッジ
第3戦 上海/中国 ★★
代役参戦のオリビエ・ジャックが、雨の上海サーキットで驚きの走行を見せる!
チャンピオンシップには全く関係ないが、見ていてハラハラ・ドキドキ、、、
思わず「ガ・ン・バ・レッ!」と力が入ってしまうレース。
このレースを★★とすることに、異論ある方もいると思いますが、私は好きです。
初の中国開催。長いストレートと、極端な連続カーブがあるサーキットである上に、ウェットレースであり、ライダーのスキルが試されることとなる。
フロント・ロウはジベルナウ、メランドリ、カピロッシ。ロッシは2列目6番ロウ。
ホール・ショットは2列目スタートのジョン・ホプキンス(スズキ)が奪い、2周目からは同じスズキのロバーツが首位を走る。この時点でロッシは2位、ジベルナウが6位。
ロバーツとロッシが先行するが、ロバーツにマシントラブルが発生しリタイヤ。ロッシが先頭に立つ。
6周目でジベルナウが2位に上がる。3位はビアッジ。
その後は路面を考慮した安定走行が続くなか、ホフマン(カワサキ)の代役、オリビエ・ジャック(250時代に中野と年間優勝を争ったチームメイト)が7ヶ月ぶりにバイクに乗ったとは思えない走りをみせ、15番グリッドスタートから3位に上がるという驚きの走行を見せる。
ジャックは残り11周で2位のジベルナウに追いつく。その時点でロッシは2位に6秒差を付けていた。
残り7周でジャックが2位に上がり、残り5周でロッシに5秒差と迫る。ジャックは1周ごとのラップタイムで1秒弱ずつロッシに迫り、最終周までに追いつく可能性が出てくる。
3位のジベルナウは残り2周でタイヤトラブルからスローダウンし、最終周にメランドリにパスされる。
ジャックは周回ごとに1秒弱ロッシに迫る快走を見せるが、追いつけるまでには至らず、そのままフィニッシュ。
- 1位 バレンティーノ・ロッシ
- 2位 オリビエ・ジャック
- 3位 マルコ・メランドリ
第4戦 ルマン・フランス
フロント・ロウはロッシ、エドワーズ、メランドリ。ジベルナウは4番グリッド。中野が6番手。
ホール・ショットはエドワーズ。ロッシはスタートに失敗し6位となるが3周目には4位に戻す。この時点でジベルナウは中野の後ろの6位。
ロッシはカピロッシ、ヘイデンとパスし9周目に2位に上がる。この時点でジベルナウはファステストで走っており順位は5位。
その後もジベルナウはコースレコードを連発する走りで、残り11周で3位、2位のロッシと1.5秒差まで迫る。これに反応したロッシがエドワーズをパスしようとするが、ラインを外し、ジベルナウに抜かれるものの、1周後に抜き返し2位に戻る。
残り8周でエドワーズがコーナーで膨らみ3位に落ちる。
ロッシとジベルナウは付かず離れずで周回を重ねるが、エドワーズは遅れていく。
ジベルナウがロッシの後ろから状況を伺う、いつもとは逆の展開となる。
最終周にジベルナウがロッシとの間隔を詰めていくが、ロッシは付け入るスキを与えず、そのままフィニッシュ。
- 1位 バレンティーノ・ロッシ
- 2位 セテ・ジベルナウ
- 3位 コーリン・エドワーズ
第5戦 ムジェロ・イタリア ★★
その間に4位のカピロッシが合流。
イタリアグランプリで、イタリア人ライダー4人が最終ラップまで熾烈な争いを展開することとなった。レース内容はもとより、観客の興奮も尋常ではない熱狂のレース!
玉田が骨折欠場から3戦ぶりに復帰。フロント・ロウはロッシ、ジベルナウ、ビアッジ。
ホール・ショットはカピロッシ。ロッシはスタートに失敗し4位に落ちるが、1周目が終わるときには1位に上がっている! ジベルナウも同じよう2位に上がるが、直ぐにメランドリにパスされてしまう。
続けてビアッジがジベルナウとメランドリをパスし2位に上がる。
6周目にジベルナウが転倒リタイヤ。
8周目に入ると、ビアッジとメランドリがロッシに追いつく。
10周目にメランドリがビアッジとロッシを一度にパスし、首位に立つ。
11周目にロッシが再び首位に、続いてビアッジも2位に上がる。三つ巴の接戦が続く間に4位のカピロッシも迫ってくる。
その後ロッシとビアッジが僅かに先行。ビアッジはロッシに付いて行く走りを見せていたが、残り7周でロッシをパスし首位に立つ。
残り5周でメランドリとカピロッシが追いつき、先頭集団が4台となる。全員母国GPであり、会場が一気にヒートアップする。
残り2周でロッシがビアッジをパス。メランドリとビアッジの3位争いも激しさを増す。
ロッシが僅かなリードを死守しトップ。カピロッシとメランドリの争いは最終コーナーまで続いた。
- 1位 バレンティーノロッシ
- 2位 マックスビアッジ
- 3位 ロリス・カピロッシ
第6戦 カタルニア・スペイン
フロントはジベルナウ、メランドリ、ロッシ。ビアッジが4番に入る。
スタートからメランドリが果敢な走りでジベルナウと何度も首位を入れ替わる。ロッシは3位で走行し、静観の走り。玉田が先頭集団に絡む好走。
4周目にロッシが首位に立つ。これを機にジベルナウとロッシが抜け出す。
5周目にジベルナウが首位に立つ。玉田が転倒リタイヤ。その後ジベルナウ、ロッシ、ヘイデンが均等間隔で周回する。
残り12周でジベルナウにタイヤ摩耗の兆候が出始める。この時点で2位のロッシとは2秒差。
残り11周でブリヂストンを履く何台かがタイヤ交換。ミシュランも摩耗が心配される。
序盤で激しいバトルを回避したロッシにアドバンテージが出てきたようで、ジベルナウとの間を詰めに入る。
残り9周でタイヤ消耗の激しいヘイデンにメランドリとバロスが追いつき、3位争いが激化する。
残り3周でロッシがジベルナウをパス、一気にペースを上げ、サーキットレコードを記録する。ジベルナウも追走するが、少しずつ差が付き始め、そのままフィニッシュ。3位は僅差でメランドリが奪った。
- 1位 バレンティーノ・ロッシ
- 2位 セテ・ジベルナウ
- 3位 マルコ・メランドリ
第7戦 アッセン・オランダ
フロント・ロウはロッシ、ジベルナウ、メランドリ。中野が4番グリッド。
ホール・ショットはメランドリ。中野も3位につける。ロッシはスタートに失敗し6位に。
3周目の順位はメランドリ、ヘイデン、ジベルナウ、ロッシ、中野であったが、ブリヂストンの耐久性に問題があり、3周目以降ブリヂストン勢は順位が落ちていく。
7周目の順位はメランドリ、ジベルナウ、ロッシ。これにエドワーズが追いついてくる。
ロッシは8周目に2位に上がる。ロッシはペースを上げ、メランドリもパスするが、ペースを上げるロッシにメランドリが食いつき、差が開かない。
残り6周でロッシがスパートをかけ、メランドリとの差を開こうとするが、メランドリもペースを上げ、残り3周で0.8秒差、2周で0.6秒差と追走する。
メランドリは残り1周でロッシに0.5秒差まで迫る気合の走りを見せるが、追いつく事は出来なかった。
- 1位 バレンティーノ・ロッシ
- 2位 マルコ・メランドリ
- 3位 コーリン・エドワーズ
第8戦 ラグナセカ・アメリカ ★
11年ぶりのアメリカGP、ヘイデンの初PPと初優勝、ヤマハの50周年スペシャルカラー仕様の車体、ホンダワークスの24レースぶりの勝利と、ストーリー性満載のレース!
映画「ターン8 ラグナセカの青い空」はこの日を中心にした作品。
ヘイデンが絶好調で初PPを獲得する。2番はロッシ、3番はバロス。エドワーズが5番ホプキンスが6番とアメリカ人ライダーが上位グリッドに集中する。ジベルナウは13番グリッドと振るわない。
ヘイデンはホール・ショットを決め、早々にリードを築く。
1周目の最終コーナーで、バロスとメランドリが転倒リタイヤ。2位はロッシとなるが、ヘイデンは徐々に差を開いていく。
3位争いは一時熾烈となったが、コーリン・エドワーズが抜け出す。ジベルナウが早々に4位まで上がってくる。
10周過ぎからエドワーズが徐々にギャップを詰め始め、16周目のコーク・スクリューででロッシをパスし2位に上がる。その時点でのトップとの差は2秒。その後もヘイデンは素晴らしい走りで他を寄せ付けず、2位に2秒の差をつけてフィニッシュ。
コース幅が狭く、パスが難しいコースの為、あまりバトルが無いが、カリフォルニアの青い空の下で、喜びを爆発させるヘイデン、父親を後ろに載せてのウィニングラン、表彰台でのダンスなど、ヘイデンの魅力満載のレースである。
このレースを見ると、ヘイデンのファンになるはず。 今更ながら残念なライダーを亡くしました。
第9戦 ドニントンパーク・英
フルウェットで気温もかなり低い、最悪のコンディション。
フロント・ロウはロッシ、ジベルナウ、メランドリ。
ホール・ショットはジベルナウ。ロッシは7位。
序盤からリアが振られる難しいライディングが必要となり、ビアッジ、ベイリス、ヘイデン、メランドリが次々に転倒。トップを走っていたジベルナウも早々に転倒し、ロッシが首位、バロスが2位となる。
ブリヂストンを履くスズキが好調で、ジョン・ホプキンス、ケニー・ロバーツJr.が先頭集団に入り、ホプキンスは一時先頭となる。
その後バロスが首位に立ち、ケニーが2位に上がり、ロッシも追走体制に入る。
9周目の時点で12人しか走っていないサバイバルレースとなっている。バロス、ロッシ、ロバーツ、エドワーズが先頭集団。
ロッシのリアが滑るシーンが度々見られ、4位に落ちるが、すぐに2位に戻す。
その後は4台とも積極的なバトルを避けて周回を重ねる。
残り7周でロッシが首位に立つやいなや、ファステストを記録する走りで差を開く。その後も周ごとに走りが安定し、タイムも1秒ずつ削るという異次元の走りを見せ、独走となる。
残り半周でロバーツがバロスをパスしスパート、差を広げて2位となる。
ベテラン2人の経験値を上回る、ロッシの底力が見えるレース。
- 1位 バレンティーノロッシ
- 2位 ケニーロバーツJr.
- 3位 アレックス・バロス
第10戦 ザクセンリンク・ドイツ
ポール・ポジションは前日に24歳になったヘイデン、2番ジベルナウ、3番バロス。ロッシは4番グリッド。
ヘイデンがホール・ショットを奪い、差を広げにかかる。2位はバロス、3位がロッシ。ジベルナウは5位。
ロッシは早々に2位に上がり、ヘイデンを追走する。
4周目の時点で、ヘイデン、ロッシ、バロス、ジベルナウが先頭集団となるが、6周の時点でホプキンスが転倒しコース上で動けなくなったことから、赤旗中断。25周での再スタートとなる。
再スタートもヘイデンが好スタートを決め、トップとなる。
2周目に入ったところで、ロッシが先頭に、続いてジベルナウが2位に上がる。ジベルナウは続いてロッシもパスするが、ロッシもヘイデンも遅れず、バロスとビアッジも近づき、5名での先頭集団となる。
中野が6位で単独走行から徐々に先頭集団に近付く好走。
首位ジベルナウと2位ロッシの差が徐々に開き始め、残り13周でヘイデンがロッシをパスし2位に上がる。
残り10周の時点で、ジベルナウ以外のタイムが上がり始め、各車の間隔が縮むが、すぐにジベルナウもタイムアップし、再度差を開く。
残り6周でロッシがヘイデンをパスし2位に上がりジベルナウを追い始め、残り2周で追いつく。
最終周の第一コーナーで、ジベルナウがブレーキングミスでコースを外し、ロッシが難なく首位に立り、そのままフィニッシュ。中野はトップから4.5秒差の6位と好走。
- 1位 バレンティーノロッシ
- 2位 セテ・ジベルナウ
- 3位 ニッキー・ヘイデン
第11戦 ブルノ・チェコ
フロント・ロウはジベルナウ、ヘイデン、カピロッシ。ロッシは4番グリッド。
ホール・ショットはジベルナウ。ロッシが直ぐに2位に上がる。続けてジベルナウもパスし、引き離しを図るが、ジベルナウはコースレコードの走りで差をつけさせず、3周目で再度首位に立つ。すぐにロッシが抜き返すものの、ジベルナウが再度パス。強いジベルナウが返ってきたと思わせる走りを見せる。3位争いもメランドリとヘイデンがパッシングを繰り返す。その間にカピロッシとチェカも追いついてくる。
7周目にバロスが5位に上がり、ヘイデン、メランドリと共に3位集団を形成する。
12周目にロッシがジベルナウをパス。バロスもヘイデンをパスする。ジベルナウはロッシに付いて行くのがやっとの状態であったが、残り6周で再度テール・トゥ・ノーズの状態まで追い上げる。
残り4周でロッシがジベルナウを前に出す。
残り1周でロッシがトップに立ち、徐々にリードを築いていく。最終ラップでジベルナウがまさかのガス欠でリタイヤ。信じられない幕引きとなる。ジベルナウの不運はいつまで続くのか?
- 1位 バレンティーノロッシ
- 2位 ロリス・カピロッシ
- 3位 マックス・ビアッジ
第12戦 モテギ・日本
ロッシの年間チャンピオンが決まるかという一戦。
フロント・ロウは今期からブリヂストンを採用しているドカティのカピロッシ。2番ホプキンス、3番メランドリ、4番玉田、ジベルナウは7番、ロッシが11番、中野は予選でエンジンブローが起こり、14番グリッド。
ホールショットはメランドリ。ビアッジが5番グリッドから2位につける。
ほどなくカピロッシが2位に上がり、コース・レコードのペースでメランドリを追う。
ロッシは5位まで上がり、玉田の後を走る。
3周目にカピロッシがメランドリに追いつき、ロッシは玉田をパスし4位に上がる。
8周目に中野がエンジンブローでリタイヤ。
9周目の時点で、先頭集団はメランドリ、カピロッシ、ビアッジ。4位集団はロッシと玉田。
11周目 先頭3台のパッシングが増えてくる。ジベルナウが転倒リタイヤ。
12周目の時点で先頭集団はビアッジ、カピロッシ、メランドリの順。ロッシと玉田も迫ってくるが、90度コーナーで、ロッシがメランドリに追突し、2台とも転倒リタイヤ。その後、ビアッジとカピロッシの先頭争いが激化する。
残り6周でカピロッシがトップに立ち、ビアッジとの差を少しずつ広げていく。この時点で12台がリタイヤしているというサバイバルレースになっている。
最後の3周は、1位から6位くらいまで何れもかなりの車間が開いており、目立った展開は無く、そのままフィニッシュ。
- 1位 ロリス・カピロッシ
- 2位 マックス・ビアッジ
- 3位 玉田 誠
第13戦 セパン・マレーシア
ロッシが4位以内に入れば、年間優勝が確定する。
フロント・ロウはカピロッシ、ジベルナウ、ホプキンス。中野が4番、ロバーツJr.が5番に入るなどブリヂストンの調子がよい。6番ヘイデン、ロッシは7番。前戦転倒のメランドリは9番に付けるが、車椅子で現地入りしており、35針縫ったという足のケガは完治していない。
ホール・ショットはカピロッシ。ほどなく中野が2位に上がる。ジベルナウ5位、ロッシ6位。
馬力のアドバンテージを生かし、メランドリが2位に上がる。
3周目の最終コーナーでジベルナウが中野をインからパスしようとして接触。両者転倒リタイヤとなる。ジベルナウは第一コーナーでも同じような接触をヘイデンとしており、焦りが見える。
6周目の時点でカピロッシ、ヘイデン、ロッシが等間隔で走る。
8周目にロッシが2位に上がり、11周目にトップに。
4位のカルロス・チェカ(ドカティ)が最速タイムで4位に上がってきている。
残り8周でカピロッシが再度首位に。
残り6周でカピロッシがヘイデンに追いつき、3位争いが始まる。
残り5周の時点で、チェカがヘイデンをパスし3位に。この時点でカピロッシはロッシに5m以上の差をつけており、その後も少しずつ差を開き、残り3周で1秒差となる。
その後もカピロッシはロッシを引き離す一方で、チェカがロッシに迫り最終周でパスできるかと思われる状態となるが、そのままフィニッシュ。ロッシの年間優勝が確定する。
- 1位 ロリス・カピロッシ
- 2位 バレンティーノ・ロッシ
- 3位 カルロス・チェカ
第14戦 ロサイル・カタール
フロントロウはカピロッシ、ジベルナウ、ロッシ。カピロッシは絶好調である。
ホール・ショットはカピロッシ。ジベルナウとロッシが続く。
2周目にジベルナウがトップに立ち、ロッシが追走する。
ロッシのペースがあまり上がらず、ジベルナウが徐々に差を開くが、ほどなくロッシがペースを戻し、その後徐々に接近、3位のメランドリもこれに続く。
10周目で、ロッシがラインを外しメランドリが2位に、ヘイデンも追いついてくる。
12周目でロッシが2位に返り咲く。この2位争いの間にジベルナウが再びリードを開く。
残り5周でロッシとメランドリがジベルナウに近づき始める。
ロッシがジベルナウに追いついた直後に、メランドリがロッシをパスして2位に上がる。
メランドリとジベルナウの首位争いが始まった直後に、ジベルナウがラインを外しコースアウト。その間にロッシがメランドリに追いつく。ジベルナウは5位でレースに復帰する。
残り2周でロッシがトップに立つ。メランドリはロッシに食らい付く気合の走りを見せ、コーナーで一時首位にもどるが、止まり切れずに順位挽回は出来ず、結果として差を開いてしまい、順位が確定する。
- 1位 バレンティーノロッシ
- 2位 マルコ・メランドリ
- 3位 ニッキー・ヘイデン
第15戦 フィリップアイランド・オーストラリア
ポール・ポジションはヘイデン。ロッシ2番グリッド、3番はジベルナウ。
ホール・ショットはヘイデンが奪い、2位はチェカ。
ランキング2位のビアッジが半周で転倒リタイヤ。
3周目にロッシが首位に、メランドリが2位に上がるが、5周目で再度ヘイデンが2位に戻る。
ヘイデンはその後もペースが良く、ロッシに追いつく。
14周目くらいからロッシがヘイデンを引き離しにかかるが、ヘイデンは追走。
ロッシは16周目にヘイデンを先行させる。その間にメランドリとチェカがロッシに近づいてくる。
メランドリが先頭集団に入ったことで、ロッシがペースアップし再び1位に。続いてメランドリもヘイデンをパスする。
ヘイデンが再度メランドリをパス。その後も2位を奪い合う。
残り6周の時点でロッシはヘイデンに1秒差をつけている。
最終周に入ったところでチェカがメランドリをパス、直ぐにメランドリが抜き返すが、最後にはチェカが0.017秒差で3位を決める。
- 1位 バレンティーノ・ロッシ
- 2位 ニッキー・ヘイデン
- 3位 カルロス・チェカ
第16戦 イスタンブール・トルコ
初のトルコグランプリ。
フロントロウはジベルナウ、メランドリ、ヘイデン。ロッシは4番グリッド。
ホール・ショットはメランドリ。ジベルナウとエドワーズが続く。ロッシは8位まで落ちる。
直ぐにヘイデンが3位、ロッシが6位に上がる。
3周目にジベルナウがメランドリをパスしトップに。ロッシは3位のヘイデンに迫る。
6周目に単独トップ走行のジベルナウがコースアウトし6位に落ちる。
8周目にロッシが2位に上がるが、メランドリのペースが良く、1秒差が縮まらない。
15周目 首位メランドリと2位ロッシの差が1.8秒まで開く。
その後もメランドリはペースが落ちず、残り6周でコースレコードを更新する走りを見せ、残り3周で3秒差まで開く。
メランドリはそのままペースが落ちずフィニッシュ。GP初優勝を飾る。
- 1位 マルコ・メランドリ
- 2位 バレンティーノロッシ
- 3位 ニッキー・ヘイデン
第17戦 バレンシア・スペイン
ビアッジとバロスのMoto GP最終戦。
年間ポイント数でメランドリとヘイデンが9ポイント差。ヘイデンが2位になるには、ヘイデン優勝、メランドリ3位が必要。
フロント・ロウはジベルナウ、メランドリ、ヘイデン。ロッシは予選での転倒がたたり15番。
ホール・ショットはメランドリ。ヘイデンとジベルナウが続く。ロッシが1周目に6位まで上がってくる。
ジベルナウが4周目にマシントラブルでリタイヤ。今期を象徴するようなエンディングとなる。
ロッシは5周目に4位、6周目に3位に上がるが、2位と3.9秒差。先頭2台(メランドリとヘイデン)のペースが良く、8周目には4.6秒差に広がる。
残り14周でロッシがペースを上げ始めるが、差を縮められない。
その後メランドリとヘイデンは付かず離れずで周回を重ねる。
残り8周でヘイデンが差を詰めてくるが、メランドリは抜かせない。
残り6周でロッシは4秒遅れであり、優勝争いは2台に絞られる。
メランドリとヘイデンは0.1~0.4秒差を保ちつつ残り2周へ。
最終周にメランドリがペースアップ、ヘイデンも追走し、最終コーナーであと僅かまで迫るが、そのままフィニッシュ。
- 1位 マルコ・メランドリ
- 2位 ニッキー・ヘイデン
- 3位 バレンティーノ・ロッシ